Webサイトの保守管理は「外注」と「社内で一人置く」どちらが正解か?コストとリスクで比較

目次
【AIによる要約】
– 更新が月に数回程度なら社内の兼任で十分。月15時間を超えるなら外注した方が安くて安心です。
– 兼任の本当のコストは「給与の2割が追加でかかる」のではなく、残業や本来の業務の犠牲として支払われています。担当者が辞めたら更新が止まる属人化リスクまで見て判断しましょう。
– まず「月間の保守作業量」と「トラブル時に何時間で復旧したいか」を社内で数値化し、外注・社内の損益分岐点を確認することから始めてください。
はじめに:この判断を先送りにするほど、会社は損をします
「うちのサイト、誰が面倒を見ているんだ?」――経営者や総務・Web担当者から、この質問を受けることが少なくありません。
Webサイトは、担当者が明確に決まっていないことが多いシステムです。経理部は経理システム、人事部は勤怠システムを「業務として」管理しますが、Webサイトだけは「担当者が、追加業務として」管理しているケースが目立ちます。当社がこれまで300社以上の企業サイト・Webシステムを支援してきた中でも、保守体制が属人化・曖昧化している企業は多い印象です。
そして「社内で対応するか、外注するか」という判断は、月額数万円の話に見えて、実は兼任担当者の本業・残業・退職リスクまで含めた数百万円規模の意思決定になり得ます。この記事では、両方式のコストとリスクを具体的な数字で比較し、「どちらを選ぶべきか」の判断基準を明確に提示します。
結論
更新が月に数回程度なら、社内の兼任で十分です。しかし更新やトラブル対応の合計が月15時間を超えると、外注した方が安くて安心です。
この「どこから先が外注の勝ちか」の線引きができるようになることが、この記事のゴールです。
社内で対応する場合の「本当のコスト」
兼任対応には、月額の計算に表れないコストが隠れています。
- 本業の圧縮: 更新や問い合わせ対応は、担当者の本来の業務時間から引かれていきます。月15時間なら、これは週に半日以上がサイト管理に取られているのと同じです。
- スキルの壁: CMSの更新はできても、サーバー障害・セキュリティ対応・独自プログラムの改修は専門知識が必要です。兼任担当者には対応できない領域が必ず残ります。
- 属人化リスク(最大の落とし穴): 兼任・専任を問わず、1人体制の最大の弱点は、その人の退職・病欠と同時に「サイトの知識」が会社から消えることです。パスワード、サーバー構成、独自プログラムの変更履歴がその人の頭の中だけに残っている状態は、多くの企業で実際に起きた「突然辞められた」事故の温床になっています。
数字で比較:兼任か、外注か
中小企業のほとんどは①の「兼任」です。2つの体制を並べて比べます。
| 項目 | ①兼任(既存社員が2割かけ持ち) | ②外注(月額5万円) |
|---|---|---|
| 直接コスト(3年) | 約290万円 | 約180万円 |
| 割込みコスト | 更新のたびに本業が中断 | ― |
| 障害・セキュリティ対応 | 深夜・休日は対応できない | 契約に含めれば可 |
| 属人化リスク | 高い(担当者が辞めると更新が止まる) | 低い(契約で続く) |
ここで注意したいのが①の「約290万円」です。実際には、このお金は別途発生しません。兼任の人は、その分残業するか、本来の仕事を圧縮しています。つまり①と②は金額がほぼ同じ。違うのは、「1人体制では対応できる範囲や時間が限られること」と「その人が辞めたら終わるリスク」が付いてくることです。
兼任で回るかどうかの分岐ライン
- 月4時間以内: 更新のたびに30分〜1時間程度なら、兼任で十分。外注した方が高くつきます。
- 月5〜15時間: 案件の内容次第です。夜間・休日の対応が必要か、更新の急ぎ具合で判断してください。
- 月15時間超: 時給3,000〜4,000円で計算すると、もう月5万円相当。しかも深夜の障害対応まではできません。ここを超えたら外注です。
さらに兼任には厄介な性質があります。更新依頼は、忙しいときに限って飛んできます。本来の業務を中断して対応するため、実際に失われる時間は作業時間より長くなります。

外注する場合のリスクと、その潰し方
では外注なら安全かというと、そうでもありません。外注には明確なリスクがあり、それを知らずに契約すると事故につながります。
リスク1:「対応対象外」という言葉
安価な保守契約の落とし穴として頻出するのが、トラブル発生時の「それは対応対象外です」。月数万円のプランに「障害時の緊急対応」が含まれておらず、いざサイトが落ちたときにスポット対応費用が別請求になる――この構造は、低価格帯の契約で特に起きやすい問題です。
リスク2:帰属意識の欠如
外注側は「コストセンターの一業務」としてサイトを見ます。担当者が変われば引き継ぎの質も落ちます。社内1名の属人化リスクの裏返しとして、「外部の属人化」も存在します。
潰し方:契約書で「何が範囲内か」まで確認する
外注リスクへの答えは一つで、契約範囲の明確化です。締結前に次を必ず確認してください。
- 対応範囲(CMS更新・サーバー障害・セキュリティ対応・緊急対応の有無と時間帯)
- 障害発生時の初動目標時間(連絡から何時間で動くか)
- 報告頻度と報告内容(実施した作業が可視化されるか)
- 担当エンジニアが社内の専任か(代理店を挟む多重下請け構造ではないか)

決断基準:どちらを選ぶべきか(当社の持論)
これまで300社以上の支援と、当社自身でのWebサービス・EC事業運営の両方の経験から、次の基準を提示します。
社内配置が合理的なケース:
- サイトが売上の中核(EC・予約サイト等)で、日々の運用改善・A/Bテストを高速に回す必要がある
- 独自開発システムを「資産」として社内に蓄積する戦略を取っている
- 更新対応が1日単位ではなく1時間単位のスピードを要求する
外注が合理的なケース:
- 更新は月数回程度、用途は情報発信・受付中心
- システム改修は年数回で、その都度外部に相談できる
- 経営者・担当者の本業の時間を、サイト管理から取り戻したい
そして多くの中小企業は後者です。当社自身も複数のECサイトを運営していますが、その運営実感から断言できます――サイトダウンやトラブルは「機会損失の時間」であり、それを24時間監視・復旧できる体制を1社員の雇用で自前構築するのは、コスト構造として成立しません。
「社内は判断とコンテンツ、システムは直接取引できるパートナーへ」。この分担が、中小企業のWeb運用で最も事故が少ない形です。
落とし穴チェックリスト:移行・選定前に確認すべきこと
- 現在のサイトのパスワード・サーバー契約・ドメイン管理状況を社内資料として一元化しているか
- 保守契約に「緊急対応」が含まれているか、時間帯の縛りはないか
- 外注先は代理店を挟まず直接契約か(作業品質と責任の所在が明確か)
- 社内に「誰が外注先と契約・判断するか」の担当を決めているか
- 退職・担当変更時に備え、アカウント情報と更新履歴を本人任せにしていないか
まとめ:コストではなく「事故の可能性」で選ぶ
社内配置か外注か。数字の比較では外注が圧倒的優位なケースが多い一方、決定的な違いはもう一つあります。社内1名は「突然いなくなることができる」存在であり、保守パートナー契約は「契約で動き続けることを義務づけられる」体制です。
Webサイトは会社の顔であり、24時間働く営業担当です。その運用をどう守るかは、月額費用だけで決めるべきではありません。
当社カジヤは、代理店を挟まない直接取引で、社内の専任エンジニアが保守管理を一貫対応しています。対応範囲を明確にした契約設計からご相談いただけますので、まずは現状の体制の無料相談から、Webサイト保守管理サービスまでお気軽にお問い合わせください。