「バナー更新・テキスト修正」を社内でやるか外注するか?時給換算で見る損益分岐点

目次
【AIによる要約】
– 専任ではない社内スタッフの更新作業は、実作業より準備と確認の時間でコストが膨らみ、時給換算で外注より高くなることがあります。
– 損益分岐点の目安は、月1〜2件の見た目だけの修正なら社内、月3件を超えるか構造に触れる修正があるなら代行が有利です。
– まず1ヶ月だけ更新作業の所要時間を記録し、隠れた工数を時給換算してから判断するのが誤解のない進め方です。
はじめに:「バナー1枚、たった30分」のはずが1時間になる理由
「バナーの差し替えをお願いできますか」——Web担当者でない社内スタッフにこう頼まれたとき、その人が実際に使う時間はどれくらいでしょうか。
多いのが、こうしたパターンです。FTPやCMSの管理画面を開く方法を思い出すのに10分。元画像を探してサイズを整えるのに15分。いざ更新して、スマートフォンでの表示崩れに気づいてやり直すのに15分。気づけば「30分の作業」が1時間以上に膨らんでいます。
当社は業界歴10年以上で300社以上の企業サイト・Webシステムの支援に携わってきました。その経験から言えるのは、軽微な更新を社内で抱えたときのコストは「作業時間」ではなく「隠れた工数」で決まるということです。この記事では、その時間を時給換算し、時間単価制の作業代行と比較したときの損益分岐点を整理します。

社内更新の実態:時給換算すると見えてくる隠れコスト
更新作業の実際の内訳
バナー1枚の差し替えを例に、専任でないスタッフの作業を分解します。
| 工程 | 所要時間の目安 | 起こりがちなこと |
|---|---|---|
| 手順の思い出し・管理画面へのログイン | 10〜20分 | 担当交代で手順書が残っていない |
| 画像の準備・加工・サイズ調整 | 10〜30分 | リサイズや画質調整のやり直し |
| 本番への反映 | 5〜10分 | 更新前にバックアップを取るか迷う |
| 表示確認・周辺ページの確認 | 10〜20分 | スマホ表示の崩れに後から気づく |
実作業そのもの(画像の差し替え)は数分です。それ以外の準備・確認・やり直しが全体の8割前後を占めます。これはサイトの裏側を日常的に触っていない人には避けがたい時間で、工程そのものが悪いわけではありません。
時給換算の考え方
仮に、この人の月給が30万円(実働を月160時間とすると時給換算でおよそ1,900円)、手取りの2.5倍が会社負担の総コストだとすると、1時間あたりのコストは4,500円前後になります。
時給4,500円の人が、準備と確認を含めて1.5時間かけてバナー1枚を更新する。その1件のコストは約6,800円です。前述のように手順の確認やスマホ表示の調整が重なって2時間かかれば、9,000円を超えます。
さらに見落としやすいのが、本業の時間を削る機会損失です。更新作業をしている間、その人が本来やるべき営業・事務・接客が止まっています。自社でもECサイトやWebサービスを運営している私たちは、この「バナー更新のために動けない時間」が事業に与える重みを、当事者として痛感しています。
外注(時間単価制の作業代行)の構造
作業代行の単価と中身
更新作業の代行は、1時間単価5,000〜15,000円程度、または1件あたりのパック料金で提供されることが一般的です。「社内の時給4,500円より高い」と感じられるかもしれません。
しかし、プロの1時間は社内の1.5時間と同じではありません。専任エンジニアは手順に迷わず、画像の準備も表示確認も1サイクルで終わらせます。さらに重要なのは、作業の前後でバックアップ取得・検証・反映後の実機テストという安全確認が工程として組み込まれていることです。社内では「省略しがちな工程」が、外注の単価には含まれています。

バナー1枚の差し替えをプロに依頼した場合、安全確認込みで実質1〜1.5時間、費用にして5,000〜15,000円程度が目安です(※サイトの構造やCMSの種類で変動します)。
数字で並べると
| 視点 | 社内スタッフ | 作業代行 |
|---|---|---|
| 1件あたりの実コスト | 6,000〜9,000円+本業の機会損失 | 5,000〜15,000円 |
| 品質の安定性 | 属人的(担当交代で崩れる) | 工程化されていて安定 |
| 万一の表示崩れ・不具合 | 社内で対処する術がないことが多い | 即座に切り戻し・修正が可能 |
| 対応スピード | 空き時間に後回しになりがち | 依頼から数営業日以内が一般的 |
損益分岐点:どこから外注が「得」になるか
ここまでを踏まえると、判断の分かれ目は次の3つに整理できます。
1. 頻度:月3件を超えるか
月に1〜2件の軽微な修正なら、社内で対応しても損失は限定的です。ただし月3件を超え、毎回1時間以上かかっているなら、外注したほうが総コストは下がり始めます。頻繁な更新は、そもそもCMSの構造や更新フロー自体を見直すサインでもあります。
2. 作業の性質:見た目だけか、構造に触れるか
バナー・テキストの差し替えは社内でも対応可能な範囲です。一方で、レイアウト調整・フォーム変更・既存スクリプトに触れる修正は、検証なしの本番直編集が事故につながりやすい領域です。「触っていい範囲」を社内ルールとして決め、その外側は外注。これが最も事故の少ない分け方です。
3. 人的リソース:その人の本業の価値
更新作業に充てている時間が、その人の本来の業務価値より高いなら、時間換算でどちらが得かは自明です。経営者や管理職がバナーを直している光景は、時給換算では最大の損失パターンです。
やりがちな落とし穴:判断を狂わせる3つの盲点
- 「無料で社内がやってくれる」前提。人の給与は固定費なので、作業コストが見えなくなります。必ず時間を記録して時給換算してください。
- 確認工程の省略。更新前にバックアップを取らず、崩れたら元に戻せない——実際に何度も目にしてきた事故の型です。社内対応を続けるなら、最低限のバックアップ手順だけは決めておくべきです。
- 手順書の不在。担当が交代するたびに調査時間が発生し、同じ学習コストを繰り返し払っています。社内対応を続けるなら手順書の整備コストも含めて比較してください。
結論:まず1ヶ月、時間を記録してから決める
推奨は明快です。月3件を超える更新、または構造に触れる修正が発生しているなら、時間単価制の作業代行に切り替えるほうが合理的です。逆に、月1〜2件のバナー・テキスト差し替えに留まるなら、手順書とバックアップ手順を整えて社内対応でも十分です。
そして判断の前に、やるべきことは1つだけです。次の1ヶ月、更新作業の所要時間をそのまま記録してください。 隠れた工数が時給換算で数字になれば、社内か外注かの損益分岐点は自ずと見えてきます。
弊社カジヤでも、バナー・テキスト修正などの軽微な更新から、保守管理までを時間単価制で承っています。作業時間の記録結果を見ながら「どれを社内に残し、どれを任せるか」の境界線をご相談いただくことも可能です。まずは実情を数字にしてみて、そのうえでWebサイト保守管理サービスをご覧いただければ幸いです。