EC-CUBEに掛かる料金・費用(構築・改修費用や保守費用)について解説
目次
1. EC-CUBEとは?(機能や特徴)
EC-CUBEとは、ECサイトを構築するための通販サイト構築パッケージシステムです。オープンソースとして2006年から公開され、現在は(株)イーシーキューブとコミュニティによってバージョンアップが行われており、35,000店舗以上に導入実績のある有名な通販システムです。
1-1. EC-CUBEの特徴
EC-CUBEは、誰でも無料で利用・改変できる「オープンソース」として公開されている点が大きな特徴で、これにより、細かいユースケースに合わせて、カスタマイズされたECサイトを構築することが可能。
また、公開元である(株)イーシーキューブではセキュリティ支援にも力を入れており、発見された脆弱性情報をすべて公開しています。これにより、ユーザーは迅速かつ適切にセキュリティ対策を講じることが可能となり、安心してECサイトを運営することができます。
1-2. 「ダウンロード版」と「クラウド版」がある
EC-CUBEは、「ダウンロード版」と「クラウド版(ec-cube.co)」の2種類があり、どちらを選ぶかによって運用方法が異なります。ダウンロード版は、ユーザー自身がサーバーを準備し、EC-CUBEをインストールして運用します。
一方、クラウド版は、EC-CUBEの開発元である(株)イーシーキューブが管理するクラウドサーバー上でサイトを運用します。どちらを選択するかは、自社やパートナーの技術力や運用体制に合わせて選択可能です。
(※2023年6月24日現在、ec-cube.co は新規受付が停止しています。)
2. 料金費用は「構築・改修費用」「保守費用」の2種類に分類される
2-1. 構築(リニューアル)・改修費用とは
「構築(リニューアル)・改修費用」は、ECサイトの立ち上げや機能追加、デザイン改修などを行う際に必要となる費用です。
基本的にスポットで発生する費用であり、立ち上げるECサイトの規模(ページ数・商品数・機能など)や求める機能、デザインの複雑さによって大きく変動します。
2-2. 保守費用とは
「保守費用」は、ECサイトを安定的に運用・管理するために必要な固定費用です。ホスティングサーバーの費用やセキュリティ対策に掛かる費用をはじめ、保守を行うパートナーとの契約によっては、予期せぬトラブル発生時でも迅速に対応できるように、修正や改修に必要な作業時間(工数)が含まれることもあります。
3. 構築・改修費用に掛かる料金イメージ
EC-CUBEの構築費用は、要件やカスタマイズ内容によって大きく変わります。
一般的に、EC-CUBEの標準機能をメインとしたシンプルなECサイトであれば、予算50万円以下でも開発可能なケースもありますが、その場合はBASEやカラーミーショップなどの固定費の安いASPカートシステムとの機能比較を行うことをおすすめします。(低予算でもEC-CUBEを採用することが好ましいケースもあります)
EC-CUBEは、ネットショップ動向調査において「月商1000万円以上で利用されているカートシステム」利用数でNo.1を獲得したことからも知られるように、ASPカートでは実現が難しい機能開発が必要なケースに利用されることも多く、そういった機能のカスタマイズが必要な場合は、構築に少なくとも100万円以上の予算が必要になるでしょう。
以下は、当社の「EC-CUBE 通販サイト構築,カスタマイズサービス」の料金プランになります。
3-1. (株)カジヤの「EC-CUBE 通販サイト構築,カスタマイズサービス」の料金プラン
ベーシックプラン 初期構築のコストを抑えた構築プランです。通販サイト運営に必要な機能が十分に揃ったEC-CUBEの標準機能を利用。スモールスタートでとりあえず通販事業を始めたい方におすすめ。 |
カスタマイズプラン 定期購入機能や会員限定サイト、独自決済方法の導入など、EC-CUBEの拡張性を活かしたカスタマイズにより、競合優位性のある高いロイヤリティの通販サイト構築が可能なプランです。 |
4. 保守に掛かる料金イメージ
構築費用だけでなく、運営には保守・メンテナンス費用も必要です。
これには、サーバー代やドメイン代、定期的なアップデートやセキュリティ対策などが含まれ、サポートの内容は開発会社により様々。開発会社に最低限の保守・メンテナンス契約をお願いした場合、2万円~10万円程度が1つの目安となります。
以下は、当社の参考料金ページで紹介している「保守管理の費用一例」になります。
4-1. (株)カジヤの保守管理の費用一例
項目名 | 費用 | 単位 | ||
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ドメイン管理費用 | 1万円〜 | 年 | ||
サーバーホスティング費用 | 5,000円〜 | 月 | ||
ファイルバックアップ費用 | 1万円〜 | 月 | ||
DBバックアップ費用 | 1万円〜 | 月 | ||
Webサイトの死活監視、及び緊急対応費用 | 2万円〜 | 月 | ||
セキュリティアップデート費用 | 1万円〜 | 月 | ||
アクセス計測レポート作成費用 | 1万円〜 | 月 |
5. 大まかな構築費用・期間の参考事例
通販サイトの構築費用は、EC-CUBEの無料ライセンスを活用しても、平均して100万円程度から初期費用が必要となるケースが多いです。また、運営や保守には少なくとも月額2万円~10万円程度の保守・メンテナンス費用がかかることを考慮する必要があります。
当社の事例からいくつか、開発に掛かった費用と構築期間を大まかに紹介いたします。
※弊社のクライアントの機密情報の保護の観点から、掲載している事例は識別情報を一部ぼかしております。
<参考例1>惣菜販売ECサイト主に魚介類をメインとした惣菜を取り扱うクライアント様の案件で、店舗の情報発信から、店舗商品の登録・掲載、一部商品に関しては通販で購入ができるようにカスタマイズを行いました。
構築費用:80万円 |
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<参考例2>大型家電販売ECサイト大型家電を取り扱うメーカー様の案件で、通販サイトの立ち上げを支援しました。決済方法の拡充や、外部メディア(WordPress)とのAPI連携などをカスタマイズを行い、UI/UXを意識したECサイトを目指しました。
構築費用:120万円 |
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<参考例3>ブランド牛販売 ECサイトネット販売のみを行うブランド牛のECサイトを構築しました。Shopifyで登録していた商品情報を元に商品を登録。販売店ごとに受注を切り分ける様に改修し、モールECの様な運用が行える機能を開発しました。
構築費用:100万円 |
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<参考例4>現地体験チケット予約ECサイト物品の購入から、体験予約チケットなどが行える地域特化型のECサイトを構築。受注データを外部基幹システムに連携するためのカスタマイズや、体験予約チケットの利用機能の開発などを開発しました。
構築費用:150万円 |
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<参考例5>体験予約・旅程表管理ECサイト現地体験の予約・スケジュール作成サービスをEC-CUBEをベースに開発。注文商品からスケジュール(旅程表)の生成・編集を行い、一括で注文が行える機能を開発しました。
構築費用:350万円 |
6. EC-CUBEの構築、どこにお願いするのがいい?
6-1. EC-CUBEの構築事例が豊富な会社を探すのがベスト
EC-CUBEの構築を依頼する際は、実績が豊富な会社を選ぶことがおすすめです。事例が多い会社は、様々な業界や規模のECサイトに対応しており、トラブルや問題にも迅速に対処できるでしょう。また、豊富な実績があることは、その会社が信頼できる証拠でもあります。
6-2. EC-CUBEインテグレートパートナーがおすすめ
EC-CUBE公式サイトでは、インテグレートパートナーとして認定された企業が紹介されています。これらの企業は、EC-CUBEの導入・運用に関する高い技術力と知識を持ち、安心して任せられるパートナーです。インテグレートパートナーには、さらに「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」の3つのランクがあり、それぞれのランクに応じたサービス品質が期待できます。
7. まとめ
この記事では、EC-CUBEに掛かる料金・費用についてご紹介しました。料金費用は「構築・改修費用」「保守費用」の2種類に分類され、構築費用は50万円以下でもECサイトを作れますが、機能やデザイン要件により少なくとも100万円程度は掛かることが多く、保守・メンテナンス費用は月額2万円~10万円が目安となります。
当社の事例もいくつかご紹介をしましたが、これらはあくまで一例であり、それぞれのケースにより構築費用や期間、保守に掛かる費用は大きく異なることがあります。
また、ECサイトはビジネスの成長に合わせて必要な機能も変化しますので、その時に合ったパートナー企業に相談することが非常に重要です。EC-CUBEの構築事例が豊富な会社や信頼できるパートナーを選ぶことが、事業を成功させる上では必要となります。