EC-CUBE4系と楽天・Amazon等のモール型、BASE・Shopify等の自社型通販システムとの違いを解説
この記事ではIT関係ではない方にもわかりやすいように、可能な限り専門的な言葉を避けて書いているため、一部、正確性を欠く表現がありますことご容赦ください。
目次
1. EC CUBEとは?
EC CUBEは、日本企業の(株)イーシーキューブが提供している、通販サイトを作るための製品です。
通販サイトの運営に必要な基本的な機能が揃っている点に加えて、誰でも利用や改変が許可されているオープンソースソフトウェアのため、通販システムのコアとなる機能にも手を加えることができるという点が特徴的です。
(出店元:【公式】EC-CUBE)
通販システムと聞くと、知名度の高いBASE, STORES , Shopifyなどをイメージされる方が多いかと思いますが、こういった通販システムのコアになるプログラムは提供元の会社が管理しており、プログラムを改変することができない部分が存在します。
(機能の拡張については、それぞれの通販システムで異なる追加方法があり、出来ることに差異があります)
ですが、EC CUBEはオープンソース化されているため、通販のコア部分の機能にも手を入れることが可能になっております。(これは良い面だけではなく、管理の責任が伴うためリスクが増大するというデメリットもあります)
EC CUBEと同様にオープンソースの通販システムには、Magento , WooCommerce , WelCart などがあります。
1-1. EC CUBE の最新版は4系
EC CUBEは2006年からリリースされ、1系・2系と進化して2018年から4系が最新版となっています。2系は独自の開発フレームワークを採用していましたが、3系からは著名な開発フレームワークを使う形式に変更されています。
2. 自社型のEC CUBEとモール型の通販システムの違い
上記までの説明で「楽天とは何が違うの?」と思われた方もいらっしゃるかと思います。通販システムには100以上の種類があり、いくつかの分類の仕方があるのですが、その中でも楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングは「モール型」に分類され、EC CUBEは「自社型」になります。
モール型 | 自社型 | |
対象 | 楽天, Amazon, Yahoo!ショッピング | EC CUBE, BASE, Shopify … |
集客手段 | 一言でいうとショッピングモール。買い物をしたいお客様が訪れる状況がすでに作られている。 | 路面店のようなイメージ。店舗独自の雰囲気やカスマイズ性はモール型よりも高くなりやすい。 |
メリット | ・お客様の集客が比較的容易 ・購入意欲の高い人が多い ・モール経由でないと出会えないお客様がいる |
・ブランドイメージを表現しやすい ・ファンやリピーターが流出しにくい ・運用コストを抑えやすい |
デメリット | ・リピーターの獲得が難しい ・規価格競争に巻き込まれやすい ・安さ重視のお客様が比較的多い |
・お客様を集客するのが難しい ・初期/改修費用が高くなりやすい |
3. 自社型の通販システムの分類
通販システムの紹介では、様々な区分で解説されますが、この記事では、ミニマム型、ベーシック型、オープンソース型の3つの分類で説明したいと思います。(大型店向けの解説は省きます)
ミニマム型 | ベーシック型 | オープンソース型 | |
対象 | BASE, STORES | Shopify, MakeShop, futureshop | EC CUBE , magento |
初期費用 | ¥〜¥¥ | ¥¥〜¥¥¥¥ | ¥〜¥¥¥¥¥ |
運用費用 | ¥〜¥¥¥¥ | ¥¥〜¥¥¥ | ¥〜¥¥¥¥ |
手数料 | ¥¥〜¥¥¥¥ | ¥¥〜¥¥¥ | ¥〜¥¥¥¥ |
※各金額については明確な表現ができないため抽象的になっています
3-1. ミニマム型の通販システムの特徴
ミニマムカートは小さく始めることができ、できる機能もスモールにまとまっているため、新しく通販サイトを始めるときに迷ったり悩むことが少なく、知識の無い方が手を出すときに最も安心して触ることができる通販システムです。
ただ、レイアウトの制約などがあり店舗の独自性を他システムより表現しづらく、売上が上がった時に相対的に高めに設定されている手数料類を削減する方法が少ないといったデメリットもあります。
3-2. ベーシック型の通販システムの特徴
ベーシックカートは初期費用やわかりやすさはミニマム型には勝てませんが、サイト上で表現できることの柔軟性が高いので、ブランドイメージをしっかりと表現する通販サイトを作ることができ、通販サイトの運用上、必要になる機能も網羅的に揃っており、中小企業が安定的に伸びる売上を作りたいときに、失敗がなく最も手を出しやすいです。
3-3. オープンソース型の通販システムの特徴
オープンソースは、最も柔軟性も高いのが魅力の通販システムです。機能の取捨選択によっては安いコストでスタートすることもできますが、こだわった機能を構築する場合は、初期費用・運用費用ともに他システムよりも大きな金額がかかることも多いです。
他システムでは実現できない機能(アパレルのスタイルブックやオーダーメイドシステム等)を作れたり独自性の高いショップが作れるため、他社に大きな差を付けられる可能性を持っているといえます。
4. EC CUBEのメリット、デメリット
4-1. EC CUBEのメリット
- 基本的な通販サイトの機能が網羅されているので、ローコストでの立ち上げも可能
- 全国に35,000店舗以上 という豊富な導入事例
- IT製品の比較サービス「ITreview 」で ★3.6 の評価
- 安価で、他社製の拡張プラグインを導入して機能追加が可能
- 140社以上のEC CUBE公式インテグレートパートナー企業が全国に存在する
4-2. EC CUBEのデメリット
- 脆弱性対策に定期的なアップデートや保守が必要
- 独自の機能を開発するのに費用が掛かる
- 自社、または開発会社の手腕による影響が大きい
5. EC CUBE を選ぶのがオススメの方
5-1. 社内、または外部に信頼のできる技術面のわかる人材、開発会社がある
EC CUBEは柔軟な通販サイトを作ることができるという魅力的な特徴がある反面、オープンソースの性質上、必要な機能の精査があいまいな状態で見積もりを依頼してしまうと、他通販システムと比べて高額な見積もりになるケースが多いです。
そのため、技術面で必要な機能を精査してくれる人材や、アドバイスをできる開発会社の存在が不可欠といえます。自社の通販サイトは、既存のお客様がいない場合には制作だけでなく販促にも予算が必要になってきますので、全体の配分に対して広く把握できる方に入っていただくのがベストです。
5-2. 特徴的な商品、または特殊な購入プロセスの商品販売をしたい
例えば、オーダーメイド品の注文を受けたい場合や、アパレルショップでの商品とスナップショットの連携、会員毎の細かな金額設定、条件付きの定期購入商品など、細かい要件や重なってくるとミニマム型やベーシック型などのコアのシステムに手を加えられない通販システムでは対応ができないケースがあります。
そのような場合は、EC CUBEなどのオープンソース型や、0から通販システムを開発(フルスクラッチ)する必要が発生します。
5-3. 社内の基幹システムや、独自クレジットカード、POS連携への柔軟性が必要
オープンソース型や0からの開発(フルスクラッチ)でない場合、社内独自の基幹システムや独自クレジットカードとの連携は、実現ができないケースの方が多いと思われます。
5-4. 後々、特殊な機能開発を必要とする可能性がある
最初はシンプルな通販サイトで十分でも、中長期的にオーダーメイドや独自クレジットカード、POS連携が発生する場合も、EC CUBEはおすすめな通販システムの1つです。
オープンソースや0からの開発(フルスクラッチ)の通販システムでない場合、連携できるPOSシステムに制限があったり、提供されている機能の問題で、結局のところ通販システムを丸ごと変更したり、自社開発に移行しないと実現できないというケースがあります。
6. まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。EC CUBE4系と他の通販システムとの違いは、イメージできましたでしょうか。
当社では、EC CUBE4系の開発・カスタマイズをお受けしておりますので、「より詳しい説明が欲しい」「具体的に〇〇で困っている」などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
EC CUBE 4系は特性上、高コストな自社通販システムと認識されているケースがたまにあるのですが、実際はきちんと設計を整えることで、他社システムに負けない高い利益率を作れる、高コストパフォーマンスな通販システムです。
7. (株)カジヤでは、EC-CUBE 4系のカスタマイズや通販サイトの運営代行を承っております
当社では、通販サイトの立ち上げからカスタマイズだけでなく、Webコンサルティングや日々の更新業務の代行まで、幅広くサポートを行っております。(参考料金についてはこちらをご確認ください)。
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